フランス留学記事 2020年度卒業 鶴見 悠太郎

  今回、つばさ基金による留学支援制度を利用し2020年2月20日~3月20日までの1ヶ月間、ブレストにあるIFREMER(フランス国立海洋開発研究所)に留学させていただきました。
━━━留学の経緯
  •  私の担当教員である二瓶先生からつばさ基金海外留学支援制度を使った留学を勧められたのがきっかけでした。また卒業研究で使用した流体解析ツールを使って研究を行っているIFREMERに先生の知り合いの研究員の方がいるとのことなので紹介していただき、留学先を決定しました。
━━━ 研究生活
  •  私が宿泊していた場所は研究所から少し離れていたのでトラムとバスを乗り継いで通っていました。研究所は海に面しており、研究室やお昼ご飯を食べるレストランからはとても綺麗な景色が見えました。会話は基本英語で行っていましたが、フランス訛りの英語を聞き取るのにとても苦労しました。また喋るのもなかなか単語が出てこず、もう少し渡航前に英語を勉強しておけばよかったと後悔しています。研究は洋上風力発電の浮体に取り付けられているダンピングプレート周りの流体の挙動について解析を行いました。解析に使用したツールは日本でも使用していたのでスムーズに研究を行うことができました。しかしコロナウィルスの影響で突然研究所が閉鎖され研究半ばで帰国することになりとても残念でした。
━━━ 現地での生活
  •  フランスに到着して最初の2日間はパリに滞在し、エッフェル塔や凱旋門、軍事博物館、ダリ美術館を観光しました。移動は基本的に地下鉄を使いました。改札口やホームに浮浪者がいたり切符を売りつけてくる人がいたりと少し怖い雰囲気ではありましたが、切符の買い方や乗り方を教えてくれたり、お年寄りや女性の方に席を譲ったりなどとてもほとんどの人は優しい方が多かったように思います。またフランス人は全然英語を喋ってくれないなんて噂を日本では聞いていましたが、そんなことはありませんでした。
  •  ブレストに移動してからの宿は目の前に大きな教会が見えるアパートの一部屋を借り、オーナーの方と二人で生活していました。オーナーとその方の弟さんは自分と歳が近いこともありレストランやバーに連れて行ってもらったり、パーティーを開いてもらったりと、とても仲良くしていただきました。朝夕の食事は基本的に自炊をおこない、パスタを作ったりお肉を焼いたりしていました。また昼は研究所のレストランで食事をとっていました。特にこのレストランの味は勿論のこと、一食2.45€でとてもリーズナブルでした。食べ物で口に合わなかったものは特にありませんでした。反対にとても美味しかったのはクロワッサンとスモークサーモンで、特にこのスモークサーモンを使ったガレットは絶品でした。
  •  休日はブレスト市内を歩いたり、カフェで昼間からビールを飲んだりさらには郊外にハイキングに連れて行ってもらったりとまったり過ごしていました。ブレストは古くから軍港で有名で軍艦を作るドックがあったり、ヨットがたくさん停泊していたりと海洋を学んでいる身からするととてもわくわくする場所でした。またいろんな方と話してみると、日本文化に興味を持っている方が多いことにとても驚きました。特にアニメや漫画は人気で書店の一角全てが日本の漫画コーナーでした。私も記念にフランス語訳のらんま1/2をお土産に買いました。(笑)


研究所近くの自然

━━━ これから留学を考えている人へ

 

  •  海外に留学することは不安なことだらけだと思います。正直私も英語が苦手であったり、フランス語はあいさつ程度しか分からなかったりととても不安でした。しかしいざ現地に着いてみるとみんな助けてくれます。拙い英語でも聞き取ろうとしてくれますし、それでも伝わらなかったらスマホの翻訳機に頼ればいいだけです。ただし現地でのコミュニケーションを楽しみたいのならば渡航前に英語をしっかりと勉強した方がよいと思います。中学生レベルの文法で高校レベルの単語の知識を用いてクイックレスポンスで話せれば十分です。お金に関しても今回利用したつばさ基金等探せば色々あると思います。なのでチャンスがあるのならばぜひ挑戦してみてください。 
━━━ 最後に
  •  振り返ってみるとビザの問題で出発の1週間前まで行けるか分からなかったり、さらにはコロナウィルスの影響により途中で帰国になったりとトラブル続きの留学でした。研究面では自身のテーマ以外でも研究内容や実験施設などフランスの最先端のものを触れることができこれから日本の海事産業を支えていく上でいい刺激となりました。また自分が外国人となることでグローバルな視点を少しでも手に入れられることができたと思います。この経験を生かしてこれからの研究も精進して参ります。
  •  最後に留学先を紹介していただいた先生、また色々と手続き関係をしてくださり留学中も心配してくださった国際交流課の皆様、現地での生活をサポートしてくださった方々にお礼申し上げます。ありがとうございました。

ガレット