ドイツ留学記事 2019年度修士卒 橋本和樹

 
━━━ドイツ ハンブルグ工科大学へ

  •  皆様こんにちは、二瓶研究室M1 の橋本和樹と申します。私は M1 の夏休みを利用して、2 ヶ月 と少し の 間 、ドイツにあるハンブルク工科大学に研究留学に行ってきました。ここでは、 私が ドイツ留学を通して何を 体験し 、どんなことを感じたのか を書いていこうと思います 。
  •  私は現在、一点係留機構を備えた 浮体式洋上風車の研究をしており、類似の研究をしているということで、私と同じ研究室の Sharath さんの紹介で、 ハンブルク工科大学のMoustafa Abdle Macsoud 先生 の下で二ヶ月間留学させて頂けることになりました。出発前は、ひとりで海外に行くことは初めてだったので少しは不安がありましたが、それ以上にこれから始まる全く新しい生活に期待でいっぱいでした。ドイツに到着すると、まず空港のベンチで一泊してから のハンブルク工科大学に向かいました。大学に着くと、私の面倒を見てくれる博士の学生 の Stefan 氏 と Christian 氏 の 二人 が笑顔で迎え入れてくれました 。 その日のうちに私の日本での研究内容を英語で発表しました 。拙い英語でしたが、二人とも本当に親身に聞いてくれ、議論に 30 分以上費やすほど興味を持ってくれました。後日、今回の留学での研究内容を何にするかを二人と相談しました。二人とも英語が 本当に ペラペラでしかも早口だったので、会話の半分も理解できていない気がして、「これから ホンマ に やってけるのか?」と不安に思ったことを今でも覚えています。話し合いの後、私が日本に帰っても使えるスキルの方が良いということで、FASTというフリーの 風車解析プログラミングコードを用いて、風車にかかるトルクやスラストを計算しようということになりました。 ハンブルク工科大学には高さ2m×横2mの人がすんなり入れるほどの巨大な 風洞があり、そこで風車の模型実験が行われ ていました。私はその風車模型をモデルにして、FASTを用いて様々に条件を変えて計算を行うことになりました。

━━━ハンブル工科大学での研究生活

  •  ハンブルク工科大学では、研究室というものは存在せず、学生が自分のデスクを持っていて、それぞれが異なるテーマを持って研究しているという感じでした。そのため、日本の大学よりもかなり研究が個人主義というイメージでした。また、自分のデスクを持っているのは基本的にドクター以上の学生だけで、私はそのデスクのひとつを使わせてもらって研究をすることになりました。修士の学生は私だけなので、正直始めは少し窮屈な感じがしましたが、少しすると同じ部屋の人と気軽に話せるくらいに馴染むことができました。上海交通大学などと合同のワークショップなどにも参加しましたが、研究のレベルの高さに驚かされました。大学での一日としては、朝早くから大学に行って研究し、正午になるとみんなでそろって食堂にごはんを食べに行き、夕方まで研究して帰るという感じにで、普段夜型の私にとっては生活習慣を改めるいい機会にもなりました。また、大学内で何度かBBQやお茶に誘ってもらったりと、向こうの学生との交流を大いに楽しむことができました。特にStefanとChristianの二人は、頻繁に私のデスクを見に来てくれて、勉強以外の生活面でも色々と支えてくれました。留学の最後の日には、先生と他の学生たちの前で、自分の二ヶ月の研究成果を簡単に発表しました。発表が終わると、聞いてくれた人がみんな良い発表だったと褒めてくれ、「私の研究の助けになったよ!」と言われたのが嬉しかったです。お土産もたくさん頂いて、本当に恵まれた暖かい環境で研究していたのだと改めて感じました。

 ━━━研究以外の思い出

  •  研究以外にも本当にたくさんの人にお世話になりました。私は柔道をしているのですが、地元の柔道場に飛び入りで行くと、そこでも本当に暖かく迎え入れてくれました。柔道での交流が楽し過ぎて週2回の練習には何があっても欠かさず参加していました。また、一緒にBBQをしたり、友達の家に遊びに行ってお好み焼きパーティーをしたり、別れの時には泣きそうになるほど仲良くなれました。
  •  「この留学は本当に楽しかった。」と今言えるのは、留学を通して楽しくて親切な人々との多くの出会いがあってこそだと思います。ミュンヘンのオクトーバーフェストでは、そこで知り合った人と飲み明かしたり、プラハで仲良くなった人と色んなクラブを夜通し巡ったり、ベルリンで意気投合した人は、宿無しホームレスの私を自分の宿に泊めてくれ、ダブルベットで一緒に寝させてもらったり(男)。などなど挙げればきりがありません。この留学で、海外という全く違う文化や考え方を持った人と交流し、心を通わせることの楽しさを教えてもらいました。

━━━おわりに

  •  二ヶ月という期間は長いようで短く、気づくと日本に帰ることになっていました。帰国してすぐに、来年の夏にハンブルクで学会が開催されるということを聞きき、これは行くしかない!と思いました。これからの目標は、自分の研究を精一杯がんばってその学会に参加し、ドイツの友達と再会するということで決まりです。
  •  最後に、今回ドイツ留学を通して貴重な経験ができたのはたくさんの方々の支えがあったおかげです。留学を強く勧めて下さった指導教官の二瓶先生。留学の交渉を支えて下さったSharathさん。そして私を暖かく迎え入れて下さったハンブルク工科大学のMoustafa Abdle-Macsoud先生、Stefan氏、Christian氏に心より感謝申し上げます。